次の日、俺は朝を早めに起きた。

隣の学区に住む戸城を迎えに行くためだ。

俺が早く起きたことに対して母たちは

昨日ほど驚いていなかった。

「いってきます」

俺は早く朝飯を食べてしまうと、すぐに

家を出て自転車で20分ほどの所にある

戸城の住む学区へと向かった。

「しまった……」

来てみたものの、戸城の家は分からない。

俺は途方にくれてつぶやく。

すると、同じ高校の女生徒が近くの

家から出てくるのがちょうど見えた。

俺は女生徒に歩み寄ってきく。

「ごめん。あのさ、3年生の
戸城の家知らない?」
「えと……そこの信号を曲がって
すぐに右に行ってください。
少し行くと薄いオレンジ色があります。
それが戸城さんの家です」