自分だってモテるだろう。

「でもあたしも分かんないなー」
「え? 付き合ったことないの?」

戸城はこくりと頷く。

俺も分からなかったので今日の所は

取りあえず帰ることにした。

「ただいま」
「あっ、おかえり」

家に帰ると、アイが玄関のドアを

開けながら言ってくれた。

俺はすぐに自分の部屋に向かう。

できるだけシンプルな便箋を取り出し、

シャープペンシルの芯を出す。

そして書き出す。

[戸城へ――]

まずは何から書いていこう。

じゃあまずは戸城って呼ぶのは

やめると言う事からかな。

出来るだけ好きになれるように

という思いを込め、便箋の上に

思いを乗せた文字たちを

書き始めた。

外から雨音が聞こえ始めた。

これは大雨になりそうな予感だ。

そして、今朝の母の予言に少し驚いた。