「放課後、話あるから中庭に来て」

教室に着くと、既に戸城は居たので、

俺は近づいて小声で言った。

戸城は俺の知られたくない雰囲気を

感じ取ったのか無言で頷く。

伝えたいのはそれだけなので、

俺はすぐにそこから離れて

自分の席に座った。

「あれー? レン……今日は早いねえ」
「まあな」

シンゴは約5分後に教室に入って来た。

そして俺の机に椅子を向けて言う。

「で、昨日はどうだったわけ?
 戸城に告白されたんだろ?」
「別に……お前になんか言わねえよ」

あれだけ隠しておいて告白された

ことをシンゴに言うなんて

おかしい気がして言わなかった。
 
「なんだよ、つまねえの」

シンゴは本当につまらなさそうに

言うと、前を向いて宿題をやり始めた。