年は離れていても、みちる先生は私にとってお姉さんのような存在。


「いいのよ、優音ちゃん。私には甘えても」


その言葉に、みちる先生の胸に顔を埋めた。


「ちょっと、寂しくなっちゃったのよね?」


やっぱり、みちる先生には私の気持ちバレてるんだな。


そう思ったとたん、我慢してた涙が零れ落ちた。


「泣きたいときは、泣かなきゃダメよ」


「どうして?」


「我慢してたら、もっと辛くなるから」


みちる先生が、私の頭をゆっくりなでる。


「優音ちゃんが元気になるように、ピアノ弾いてあげようか?」


「うん」


こくんと小さくうなずく。


「じゃあ、優音ちゃんが一番好きな曲を弾くね」


みちる先生は私の身体を離すとピアノの前に座り、静かに音を奏でだした。