音を奏でて~放課後の音楽室~

3時間くらい弾いただろうか?


指が痛くなって、弾くのをやめた。


壁にかかっている時計を見ると、まだ3時。


「まだ、帰りたくないな」


だけど指は、もう弾けないって言ってるみたいだった。


「優音ちゃん」


「みちる先生」


しばらくボーっとしていると、みちる先生が顔を出した。


「もう、満足?」


「うん。指、痛くなっちゃった」


苦笑いを浮かべる。


「じゃあ、一緒にお茶しない?おいしいケーキがあるの」


「うん」


ピアノのふたをしめ、エアコンの電源を落として、部屋を出た。


そのままみちる先生の家に入る。