「はぁ」


そのままベットに倒れ込む。


意心地が悪い。


家族のせいじゃない。


私の心が歪んでるから、意心地が悪く感じるんだ。


でも、この家に私の居場所はあるのかな?


そう思ったら無性に悲しくなって、涙が零れそうになる。


「ダメだ」


今は、家にいない方がいい。


そう思った私は、ピアノの楽譜が入った鞄に、財布とケータイを入れて階段を下りた。


「あれ?優音ちゃん、出掛けるのかい?」


リビングを通って玄関に行こうとすると、おばあちゃんに声をかけられる。


「うん。ピアノの先生のところに行ってくるね」


「そうかい。みんな揃ってるのにね」


「ごめんね、おばあちゃん」


おばあちゃんの悲しそうな顔を見ていられなくて、私は飛びだすように家を出ていた。