音を奏でて~放課後の音楽室~

「先生」


「ん?」


「私は一体、どうしたらいいの?」


自分が分からない。


「私は、自分が嫌い、です」


おじいちゃんとおばあちゃんに注いでもらった、いっぱいの愛情。


でもそれ以上に、親の愛を求めてる。


そんな自分が、大嫌い。


おじいちゃんとおばあちゃんを裏切ったみたいで、申し訳なくてしょうがない。


「自分を大切に出来るのは、自分だけだ」


「先生・・・」


「あまり、考え込まない方がいい。そのままの君で、十分だ」


先生の言葉に、また涙が溢れてくる。


なんでこんなに涙が出てくるんだろう。


人前で泣いたことなんて、ほとんどないのに。