「じゃあ、気をつけて帰ってくださいね」


「はい。ありがとうございます」


先生と別れて、ちょうど家に帰る方向に来たバスに乗り込んだ。


一番後ろの席に座って、コツンと窓に頭を預ける。


なんか、疲れたな。


そっと目を閉じた。


おばあちゃんと話したこと。


花音と会ったこと。


いろいろあったのに、思い出すのはさっきの先生の顔と声。


先生、事故にあったんだ。


そのせいで、何かを諦めなくちゃいけなくなったの?


でも、諦めきれてないってこと?


よく分からないけど、なんか先生辛そうだったな。


私と同じ、作り笑いをしてた気がする。


目を開けバスから見える景色を映しながら、なぜだか先生のことを考えていた。