視線が合ったまま、先生の次の言葉を待つ。


「なんとなく」


先生がスッと私から視線を外す。


「諦められない自分がいる」


先生の横顔は、どこか悔しそうで、どこか切なそうだった。


「先生?」


先生の横顔になんて声をかければいいか分からなくて、そっと先生と声をかけることしか出来なかった。


その声に先生はハッとしたような顔を向け、すぐに笑顔を作った。


「変なことを話してすみません」


私はプルプルと首を振った。


「清水さん、家はどこですか?近くなら送って行きますよ」


先生がポケットから車の鍵を取り出す。


「あっ、大丈夫です。バスで帰りますから」


「そうですか」


先生は笑顔で鍵をポケットに戻した。