「そうですか」


しばらく二人で、自動演奏で音を奏でているピアノに耳を傾けた。


「先生は、どうして病院に?」


なんとなく口を開く。


「お見舞ですか?」


「いえ、違いますよ」


目線を上に向けると、先生と目が合う。


「じゃあ、どこか具合が悪いとか?」


でもだったら、学校なんて行ってないで病院にすぐ来るはずだし。


「昔ね・・・」


頭の中で考えていると、先生は静かに話し出した。


「事故にあって、まあ、その定期検査みたいなものかな」


そう言って先生は、ハハッと笑った。


「痛むんですか?」


「いや、でも・・・」