先生が私と目線を合わせるようにして、その場にしゃがみ込む。


「君を見てるとね、たまに無理してるんじゃないかなって思うときがある」


「えっ?」


そんなこと初めて言われて、思わず先生を見つめ返してしまう。


「君のこと、100%理解してるわけじゃないから、なんて言ってあげればいいか分からないけど」


そこで先生は、言葉を切った。


「あまり、無理をしなくていい。寂しいとき、辛いとき、誰かに話を聞いて貰うもの必要なんだよ?」


その言葉に、キュッと唇を噛みしめた。


「・・・なんで、そんなこと言うんですか?」


やっと出た声は、なんだか妙に掠れていた気がする。


「なんでだろうね?」


先生がゆっくりと立ち上がる。


「でも君は、俺に似てる気がするから」


窓の外に視線を向ける先生。


その顔は、今まで見たことない表情で、なんだかとても寂しそうだった。