小さく頭を下げて、教室を出た。


ハッと短く息を吐く。


こういう話し合いは大っ嫌い。


なんで人に自分のことを話さないといけないの?


「優音、面談終わったの?」


音楽室に行こうとしてる途中、葵と会った。


「うん。部活も終わったの?」


「終わったよ~」


「じゃあ、鍵貸して。私返しとくから」


「いいの?てか、これから音楽室?」


「クラ取りに行くから」


「そっか」


葵は私に鍵を渡すと、バイバイと手を振って帰って行った。


鍵を回すと、カチッと音がして鍵が開いたことを知らせる。


勢いよくドアを開けて、すぐ近くにあったピアノのふたを上げた。