「先生、入っても大丈夫ですか?」


半分だけドアを開けて、中の様子を見る。


「ええ。どうぞ」


「すみません。遅くなりました」


そう言って中に入って行くと、大丈夫ですよと言って内田先生が顔の表情を緩めた。


「それから先生、もうひとつ言わないことがあるんですけど」


2対1でくっつけられてる机に、先生と向かい合うように座る。


「実は、母親が来れなくなってしまって」


ごめんなさいと、頭を下げる。


「妹が熱出して、母親がついていないといけなくて」


「そうですか。それでは、面談は別の日にしますか?」


先生にそう言われて、頭を横に振った。


「親がいなくても大丈夫なので、進めてください」


そう言ったら、内田先生が少し困った顔をした。


「一応、保護者の方に会って話をしたいんですが・・・」