「優音、俺行くから」


あれから数か月がたった。


仁と一緒に暮らす生活も、大学生活もだんだん慣れてきた。


「いってらっしゃい」


玄関で仁を見送る。


「優音、今日午後からだっけ?」


「うん。午前の授業休講になったの」


「そう。いってきます」


触れるだけのキスをして、仁は家を出て行った。


朝食の片付けをして、ピアノの前に座る。


鞄から楽譜を出して、今練習している曲を弾き始めた。


ピアノの、明るい音が部屋中に響き渡る。


私たちの明るい未来は始まったばかり。


二人で、築き上げていこう。


愛が溢れる、幸せな日々を。







・・・END