音を奏でて~放課後の音楽室~

「大切な娘だって」


お母さんにそう言ってもらえて、本当に嬉しかった。


「花音にも、先生と住むこと言った方がいいかな?」


親にちゃんと自分のことを言えた日から、徐々に花音に対する嫉妬心みたいなものはなくなった。


今はお母さんと一緒に病院に行くこともある。


「俺にも、紹介して。優音の大切な妹」


「うん」


今度は、先生にも花音に会ってもらおう。


「花音、喜んでくれるかな?」


「お姉ちゃん取らないでって言われるかも」


クスッと笑い合って、キスをする。


「花音は優しい子だから、そんなこと言わないよ」


「そっか。よかった」


先生が私の髪をなでる。


「じゃあ、また来るよ」