それから数日後の日曜日、午前中に先生に来てもらうことになった。


先生に貰った指輪をつけて、自分の部屋から下に下りた。


リビングに行くと、お父さんはどこかソワソワしながらも新聞を読んでいて、お母さんはキッチンで紅茶を淹れるカップを用意していた。


「手伝うよ」


お母さんからカップを受け取る。


「優音、その指輪」


カップを受け取ったときに、お母さんの目が指輪に止まった。


「大切な人に貰ったんだよ」


そう言って笑うと、お母さんも一瞬笑顔を浮かべた。


「私が知らない間に、成長しちゃったのね」


でもすぐに、今度は寂しそうな笑みを見せた。


「お母さん・・・」


「指輪をくれるってことは、年上の人なのね」


「うん」


「会うの、楽しみだわ」