音を奏でて~放課後の音楽室~

「話がある。音楽室に誰もいなくなったらおいで」


「今じゃダメなの?」


「あとで」


そう言ってまたキスをする。


「じゃあ、行ってくる」


「いってらっしゃい」


手を振ると、少しだけ笑顔を見せた先生は教室を出て行った。


机から下りて、鞄からピアノの楽譜を取り出す。


しばらくはそれを読んで過ごした。


「さてと、そろそろ行きますか」


時計を見れば、送る会が終わって30分くらい過ぎたころ。


さすがにもうみんな帰ったと思い、音楽室に向かう。


音楽室に向かう廊下は誰もいなくて、みんなが帰ったことを知らせていた。


音楽室のドアを開ける。


そこには、部員だけじゃなくて先生もいなかった。