音を奏でて~放課後の音楽室~

「優音の名義の通帳だ。こっちがお父さんとお母さんが貯めていたお金」


赤色の通帳が目の前に差し出される。


「それから、これは」


今度は青色の通帳が前に差し出された。


「おじいちゃんとおばあちゃんからだ」


「えっ?」


「この前、部屋を整理してて見つけた。優音名義の通帳と花音名義の通帳。中身は、少しだけ優音の方が多かったけどな」


そう言ってお父さんは、少しだけ笑った。


「これは、優音が持って、大学のために使いなさい」


「お父さん・・・」


「もし学校の奨学金入試で受からなかったら、他の機関から奨学金を借りて欲しい。それでも足りなかったら、お父さんたち頑張るから」


「うん。ありがとう」


二冊の通帳を、ギュッと胸に抱く。


お父さん、お母さん、ありがとう。


それから、おじいちゃん、おばあちゃん、いっぱいいっぱいありがとう。