音を奏でて~放課後の音楽室~

「今度その大学の奨学金入試があるんだって。それを受けてみようと思うの」


「優音」


「お金が大変なのは分かってる。だけどお願い。大学に行かせてください」


お父さんとお母さんに頭を下げる。


「でも優音、東京だなんて・・・家を出るってことよね?」


お母さんが私の手を握る。


「ごめんね、お母さん。私、就職するにしろ進学するにしろ、家出てくつもりだったから」


お母さんの目が大きく見開かれる。


「そうよね。家にいたくなかったんだよね」


それから小さな声で、そう呟いた。


「優音、正直に今の家の状況を話していいか?」


「うん」


お父さんの言葉に、首を縦に振る。


「こんなことを言うのはなんだが、おばあちゃんが亡くなってお金の負担は少し軽くなった」


「うん」