音を奏でて~放課後の音楽室~

それからお母さんは三人分、カフェオレを淹れてくれた。


甘い甘いカフェオレを飲んで、ホッと息を吐く。


今から、ちゃんと話さないと。


私のほんとの気持ち。


「お母さん、お父さん、話しがあるの」


その言葉に、テーブルを挟んで私と向き合ってソファーに座っていたお父さんは顔を上げ、私の隣に座っていたお母さんは私の顔を覗いてきた。


「私、大学に行きたい」


初めて、自分の気持ちを口にしたかもしれない。


「今日の発表会を見に来てた東京のF音大の先生が、私にピアノを教えたいって言ってくれたの」


「優音・・・」


「みちる先生の先生なんだって。私、その先生に教えてもらいたい。真剣にピアノやりたいの」


言われてすぐは迷ったけど、やっぱり真剣にピアノやりたい。


ピアニストになりたいんじゃなくて、みちる先生みたいなピアノの先生になりたいの。


そのためには、やっぱり大学でピアノの技術と知識を深めたい。


大学進学も、ピアノの先生になりたいって夢も、諦めきれないから。