「優音(ゆの)最高!」


「葵(あおい)、声大きい」


LHRが終わって、私と友達の葵は部活をするために音楽室に向かっていた。


私、清水優音


高校3年の17歳。


隣で声を出して笑っているのが、高校になって友達になった田島葵。


「バーンだよ、バーン」


さっき私が教卓を叩いた動作と、同じ動作をする葵。


「もう、最高!」


「葵、みんな見てるよ」


あははと声を出しながら廊下を歩いてる葵を、ジロジロと生徒が見てる。


葵はかわいい。


ミディアムのふわふわパーマの髪に、小さな顔に大きな目。


背が小さくて、守ってあげたくなっちゃう。


廊下を歩くと、男子が一瞬ちらっと目を向けるくらい。