音を奏でて~放課後の音楽室~

みちる先生が小さくうなずく。


「さっきホフマン先生が優音ちゃんのピアノ見て、音大で教えたいって」


「えっ?」


思わずホフマン先生を見つめてしまう。


「やー久しぶりに原石を見つけた気がしてね」


そう言って楽しそうに笑うホフマン先生。


「でも私、ピアニストになりたいとか思ってないから・・・」


「そんなことはいいんだよ。私はね、ピアノを弾く上で一番大切なことは、楽しいって思う気持ちだと思ってるから。もちろんピアニストになりたいって子には、それなりに厳しい指導はするけど」


もし、みちる先生と同じ先生に教えてもらえるならすごく嬉しい。


でもF大は東京だし、大学行くこと、親が許してくれるか分からない。


「1か月後に奨学金入試があるの。それを受けてみればいいと思うんだけど」


どうかな?ってみちる先生が私の顔を覗く。


「急にだから、分からない・・・」


「そうよね。ごめんね、急にこんな話しして」


首を横に振る。