音を奏でて~放課後の音楽室~

「そう」


足音がした方を見ると、内田先生が私たちのところに歩いてくるところだった。


「先生、弾くの?」


「ああ。聞いててくれる?」


「うん」


私がうなずくと、内田先生が舞台に出て行く。


ピアノの前に立つと、みちる先生が内田先生の紹介を始めた。


内田先生がお辞儀をすると、拍手が起こる。


椅子に座った先生は大きく息を吐き、ピアノを弾き始めた。


「これって、リストの愛の夢だよね。難しい曲」


「うん。あの子の弾き方にピッタリの曲でしょ?」


「すごく素敵」


優しくて綺麗で、それでいてどこか寂しい、けど温かい。


「ブランクがあったからどうかと思ったけど、なかなかよく弾けてるわ」


「この曲、みちる先生が選んだの?」