音を奏でて~放課後の音楽室~

私に向かって、ニッコリと笑ってる。


「やだ、もう」


浮かんできた涙を見られないようにもう一度頭を下げて、なるべく早足で舞台袖に戻った。


「みちる先生」


袖に控えていたみちる先生に抱きつく。


「どうしたの?優音ちゃん」


「お母さんと、お父さん、来てくれた」


「そっか。よかったね」


みちる先生が頭をなでてくれる。


「うん。嬉しい」


みちる先生から離れて笑顔を見せると、みちる先生も笑ってくれた。


「今から、みちる先生がピアノ弾くの?」


いつも発表会の最後は、みちる先生のピアノで終わる。


「うんん。今日はね、仁に弾いてもらおうと思って」


「内田先生?」