音を奏でて~放課後の音楽室~

「もう。そんなこと言うと、泣けちゃうじゃない」


みちる先生が私に抱きついてくる。


「ほんとにそう思ってるよ」


小さいころからみちる先生には、ピアノの技術はもちろん、ピアノを弾く楽しさも教えてもらった。


だから、こんなに長くピアノを続けてこれたんだから。


前の人の演奏が終わり、拍手が鳴り響く音がする。


「じゃあ、次は優音ちゃんね」


みちる先生が私から身体を離す。


それからマイクを手に持ち、私の名前を読み上げた。


「楽しんで弾いてらっしゃい」


「はい」


みちる先生に背中を押され、舞台に出る。


ピアノの前で頭を下げると、大きな拍手が起こった。


椅子に座って一息つく。


それからピアノに手を置いて、今まで練習してきた曲を弾き始めた。