音を奏でて~放課後の音楽室~

だから、私のところには来ない。


「次の出番は?」


「最後だよ。先生、最後までいてくれる?」


「ああ。いるよ」


「よかった」


先生の返事にホッと息を吐く。


それからたくさんの生徒さんが、一生懸命練習した曲を弾いていった。


「じゃあ、いってくるね」


そろそろ出番だと思い、席を立つ。


「緊張してる?」


先生の指が、そっと私の指に触れる。


「うんん」


「そう?」


「うん。だって私、この発表会のベテランだもん」


「そっか。楽しみにしてるよ」