音を奏でて~放課後の音楽室~

客席に入ると、パッと亜美ちゃんが笑顔になり私の手を離した。


手を降るお母さんのところに走って行く。


亜美ちゃんのお母さんは私を見つけると軽く頭を下げてくれて、私も慌てて頭を下げた。


そのまま私も、内田先生の隣に座る。


今日は日曜日で、内田先生も見に来てたの。


「楽しそうだったな」


「うん。楽しかったよ」


先生がポンポンと私の頭をなでる。


「今日は、見に来るの?」


「分からない。多分来ないよ」


「そう」


見に来るって言うのは、親のこと。


結局、ピアノの発表会のことは言いだせず、昨日の夜ご飯を食べるテーブルの上にお知らせの手紙を置いてきただけ。


でも、私が8時ごろ起きたときには親はもう家にいなかった。


きっと花音のところに二人で行ったんだと思う。