音を奏でて~放課後の音楽室~

先生の足と自分の足が90度になるようにして、膝の上に座る。


「先生」


「ん?」


先生の唇が、私の唇にそっと触れる。


「ピアノ、弾いて」


「ん」


私を膝に乗せたまま、先生がピアノに手を置いた。


「私、邪魔?」


「いや。ここにいて」


「うん」


先生の指が、鍵盤の上を流れていく。


優しい音。


「好き」


「ん?」


「先生の音、優しくて温かくて大好き」