音を奏でて~放課後の音楽室~

「よし。あとは弱火で煮込むだけね。優音ちゃん、ブロッコリー切ってくれる?」


「うん。どうやって切ればいい?」


「あのね。ここをこうして」


包丁を握ってる手に、みちる先生の手が重なる。


みちる先生の手に動かされるように、包丁を動かした。


「これをね、電子レンジにかけるの」


「電子レンジ?茹でるんじゃなくて?」


「うん。その方が、栄養価が残るのよ」


「ふーん」


みちる先生といると、いろいろ勉強になる。


ほんとはこうやって一緒にキッチンに立つ相手は、お母さんなのかもしれないけど。


「じゃあ、あとは私がやるから、仁を迎えに行ってくれる?」


「うん」


手を洗ってエプロンを取って、内田先生のところに向かった。


外に出て、いつも練習している防音になってる一室に向かう。