「先生」


「ん?」


「大丈夫?」


「ああ」


鍵盤に置かれた先生の手をそっと取る。


「もう3時間も弾いてるよ」


「そんなにか」


音が鳴ったと思ったら止まり、また音が鳴ったと思ったら止まり、そんなことをもう3時間も繰り返してる先生。


そっと先生の手をマッサージする。


「指、疲れちゃうよ」


「そうだな」


先生が私の肩に頭を預ける。


「少し休憩しよう」


「ああ」


先生の手を取り、空いてる手でコーヒーカップを持って、ソファーまで向かった。