「将来は、プロのピアニストかね~」


「えー違うよ。でも、ピアノの先生にはなりたい」


「優音ちゃんなら、なれるよ」


「ありがとう、おばあちゃん」


それからしばらくおばあちゃんと会話をして、家に戻った。


鍵を開けて、家に入る。


「ただいま」


誰もいないことはわかってるのに、自然にただいまと口に出してしまう。


「何やってんだろ、私」


そのまま自分の部屋に行き、ベットに倒れ込んだ。


おばあちゃんのところから帰って来ると、いつもそう。


妙な孤独感に襲われる。


5年前からずっと、ほぼ家には一人なのに。


「夕ご飯、何にしようかな?」


そんなことを考えながら、いつの間にか眠りに落ちていった。