音を奏でて~放課後の音楽室~

みちる先生は、私と先生が生徒と教師以上の関係になったことについては、何も言わない。


ただ、それが当たり前のように見守ってくれている。


「優音」


少しだけベットが沈み、先生の手が私の頭に触れる。


「みちるさん、帰ったから」


こくんと頭だけ動かす。


「どうした?気分悪いか?」


「うんん」


心配そうな声が、頭の上から降ってくる。


「みちる先生がね、私のこと好きだって」


「そっか。よかったな」


「うん」


私は、求め過ぎているのかもしれない。


おじいちゃんとおばあちゃんに愛され、みちる先生に好きって言ってもらえて、先生も隣にいてくれる。


それなのに、親に愛情を求めてるなんて・・・