音を奏でて~放課後の音楽室~

それから、誰かに頭をなでられる感覚で目が覚めた。


「ごめんね、起こしちゃった?」


「あれ?みちる先生?」


ここにいるはずのないみちる先生の姿に、ビックリする。


「仁から連絡もらって、来ちゃった」


「ごめんなさい」


ニッコリ笑うみちる先生に、思わず謝ってしまった。


「どうして謝るの?」


「だって、迷惑かけたから」


「迷惑だなんて思ったことないわ。ただ、心配したけど」


みちる先生の手が、そっと私のおでこに触れる。


「まだ熱あるわね」


熱のせいか、少し冷たく感じるみちる先生の手が気持ちいい。


「ちゃーんとお家には連絡しておいたから、安心してね」


「うん」