音を奏でて~放課後の音楽室~

力を抜いて、先生に身体を預ける。


「このまま、優音を連れ去ることが出来たらいいのに」


「連れ去って欲しい・・・」


二人で、知ってる人が誰もいないところへ。


「疲れたよ、先生」


「うん」


「親にいい顔するの疲れちゃった。いい子でいるの、疲れたの」


普通の親なら、子供を同じように愛してくれるのかな?


もし花音が元気な子だったら、私も花音と同じように愛してもらえてたかな?


そうだったら嬉しいな。


「連れ去ることは出来ないけど」


「ん?」


「今日と明日は、ここにいて。みちるさんに、お願いしよう」


「アリバイ工作?」


「そう。優音ちゃん預かってますって、連絡してもらおう」