音を奏でて~放課後の音楽室~

「分かった。用意するから待ってて」


「うん」


チュッと音を立てて、私のおでこにキスをする先生。


それから洗面器とかを持って、寝室を出て行った。


「嫌な夢だったな」


でもあれは、夢じゃなくって現実に起きたこと。


ベットに寝っ転がっても、目をつぶることで出来ない。


先生、早く戻って来ないかな?


今一人でいるのは、ちょっとキツイ。


「優音」


しばらくして戻ってきた先生を見て、ホッと息を吐く。


ゆっくりと起き上がって、差し出されたカップを受け取る。


ほんのりと湯気が上がるカップの中には、ふわふわした卵が入ったスープが注がれていた。


「いただきます」


スプーンですくって一口飲む。