ここは私の、小さな音楽ホール。


「優音ちゃんは、プロのピアニストになれるね~」


「あれ、そんなことないよ」


おばあちゃんが、他の入居者の人と話してる。


私が褒められると、おばあちゃんは嬉しそうな顔をする。


それが、とっても嬉しい。


「優音ちゃん、少し外に行かない?」


「うん」


おばあちゃんの車椅子を押して、外に出た。


「学校、楽しい?」


「うん」


「そっか。よかったね」


「でもね、今年は受験生だから」


「そうだね~優音ちゃんは、どうするの?」


「えっとね、ピアノの勉強したいんだ」