音を奏でて~放課後の音楽室~

「優音!優音!」


身体を揺すられて、ハッと目を覚ます。


あっ、夢・・・?


「大丈夫か?」


先生の心配そうな顔が、私の視界に入る。


「お母さん、花音のところに行っちゃった・・・」


ポロポロと流れる涙を、先生が指で拭ってくれた。


「優音、少しだけ起きれるか?」


「うん」


起き上がろうとするのを、先生が手伝ってくれる。


「喉渇いただろ?」


ガラスのコップにストローを刺したものを、先生が口に当ててくれる。


そのストローから中身を飲むと、程よく冷えたスポエネだということが分かった。


「もういい?」


「うん」