音を奏でて~放課後の音楽室~

「よかった。先生いてくれた」


「ごめん」


また私をベットに寝かせてくれた。


「熱上がってるな」


私のおでこに手を置いて、顔をしかめる先生。


「先生」


「ん?」


それでもすぐに笑顔になって、私の話に耳を傾けてくれた。


「さっきね、お母さんに、花音にピアノ弾いてあげてって頼まれて」


「うん」


「弾く気分じゃないからって、断ったの」


「うん」


さっきお母さんとした会話が、頭に浮かぶ。


「そしたら、花音はかわいそうな子だから、そのくらいのワガママ聞いてあげてって」


「うん」