花音が帰ってくるときのことを楽しく話し合う、お母さんとお父さん。


二人でパソコンを見ながら、水族館を調べている。


そんな二人を、私はすぐ傍で見つめていた。


「ねえ、お母さんお父さん」


「なに?今忙しいんだけど」


私の方を見ずに、そう言ったお母さん。


「うんん。今じゃなくていいから、また言うね」


「そう」


結局私は何も言えなかった。


ねえ、二人の頭には花音しかいないの?


私はいらなかった?


生まれてこなくてもよかった?


どうしようもない寂しさを心に感じながら、私はリビングを出た。


ねえ、お母さんお父さん。


頭の片隅にでもいいから、私の居場所を作って。