冷蔵庫を開けて最初に目に飛び込んできたのは、挽肉だった。


次に野菜室を開けると、大きなキャベツ。


「ロールキャベツ、作ろうかな」


玉ねぎもあるし、戸棚を開けたらホールトマトの缶詰もある。


「じゃあ、トマト味のロールキャベツにしよう」


食べてくれるといいな。


おいしいって言って欲しいな。


そんなことを思いながら料理を進めた。


「出来た!」


時間をかけて作ったロールキャベツ。


時計を見たら、夜の7時。


お母さんとお父さんが帰ってくるのは、8時半頃。


「まだ、時間あるな」


どうしようかと思ったけど、自分だけ先に食べようとお皿によそった。


まだ同じテーブルについて一緒にご飯を食べる勇気はない。