「花音(かのん)ちゃんは?」


「たぶん、元気だよ。あんまり病院行かないから、わかんないけど」


「優音ちゃん。たまには行ってあげなさい、病院」


「うん」


俯いてしまった私に、おばあちゃんは優しく頭をなでてくれた。


花音って、私の妹。


4歳下で、私が今17だから花音は13歳。


小さいころから病弱で、ほぼ病院で過ごしてる。


学校もあまり行けてなくて、病院で学校の勉強をすることが多い。


そんな花音に、お母さんは付きっきり。


だから私は、小さいときからおじいちゃん・おばあちゃん子だった。


てか、傍にいた大人がこの二人だけ。


ピアノの発表会とか、私の両親は一回も来てくれたためしがない。


風邪を引いたときだって、傍に居てくれなかった。


お父さんとお母さんは、花音が一番だから。