静かになれば、早く終われるのに。


どうしてそれが分からないんだろう?


高3にもなって。


「静かに・・・」


学級委員がもう一度そう言おうとしたとき、LHR中最大の笑い声が聞こえた。


それと同時に、私のイライラが頂点に達する。


私は持ってた少し分厚い本で、思いっきり教卓を叩いた。


バーンと大きな音が、教室中に響く。


一瞬で、教室の話し声が静まった。


そんなクラスメイトに、私はにっこり笑ってやった。


「続けて、酒井君」


「あっ、うん・・・」


男子学級委員の酒井君が、目をパチクリしながら私を見た。


それから心を落ち着かせるように、咳払いをして話を始める。


その後は誰一人しゃべることなく、LHRを終えた。