「だから、泣かなくていい」


「うん」


先生の唇が、私のおでこにそっと触れた。


「くすぐったい」


「そう?」


こくんとうなずくと、先生が少し笑って私の頭をなでた。


「前にも、おでこにキスした?」


「したよ。保健室でね」


「どうして?」


「したかったから」


先生がポンポンと子供をあやすように私の背中を叩く。


「そんな風にされると、眠くなります」


「いいよ眠って」


「うん」


そう言われて、先生の肩に頭を預けた。