音を奏でて~放課後の音楽室~

「思ってないよ。ただ、大人っぽい顔してるのに意外に子供っぽいんだなって思って」


「それって、やっぱり思ってるじゃん」


「そう?」


先生が立ち上がって、キッチンに向かう。


「甘いの淹れてあげるから、ソファーに座ってなさい」


「はい」


ピアノの椅子から立ち上がってさっきまで先生が座っていたソファーに移る。


「はい、どうぞ」


「ありがとうございます」


少しムスッとしながらカップを受け取ると、先生が私の頭をポンポンってした。


「それも嫌です」


「ん?」


「頭ポンポンってされるの」


淹れてもらったカフェオレを一口飲む。


「どうして?」