「こんにちは」


立ち上がって、傍にいたお年寄りの方に挨拶する。


「優音ちゃん、いらっしゃい」


私が毎週ここに来るから、皆さんほんとの孫のように可愛がってくれる。


この老人ホームは、多少認知症の症状がある人もいるけど、それ以外の人は身体のどこかに不自由を抱えてる人。


私のおばあちゃんみたいに、下半身が動かないとか。


だから、普通におしゃべり出来る人が多い。


「お父さんは元気?」


「うん。相変わらず、仕事ばっかだけど」


「そう。浩一も困ったものね」


おばあちゃんがため息をつく。


浩一って、私のお父さん。


おばあちゃんからみたら、息子になる。


「お母さんは?」


「元気だよ。毎日病院だけどね」