でも私は、おばあちゃんが老人ホームに入ってよかったと思う。


５年前まで一緒に住んでたおばあちゃん。


下半身麻痺になった今、家でおばあちゃんの面倒を見れる人はいない。


「おばあちゃん！」


「優音ちゃん」


おばあちゃんは、他の入居者の人と一緒に日差しがたっぷりと降り注ぐ大きな窓の傍に居た。


「会いたかったよ」


車椅子に乗ってるおばあちゃんに抱きつく。


「あれあれ。一週間前に会ったばかりじゃない」


そう言って、私の頭をなでてくれる。


「優音ちゃんは、いつまでたっても甘えん坊だね」


「そんなことないよ。おばあちゃんにだけだもん」


「そうかい」


おばあちゃんの笑顔は、私の心を明るくしてくれる。


「ほら。皆さんにご挨拶は？」