音を奏でて~放課後の音楽室~

「大丈夫?」


そんな私を、先生がサッと支えてくれた。


腰に回された先生の腕が温かい。


「先生」


「ん?」


私は無意識に、先生のワイシャツを握りしめていた。


「先生。先生は、私のこと心配ですか?」


顔を上げて、先生を見つめる。


「心配じゃなかったら、こんなことまでしないよ」


それを聞いたとたん、ポロポロと涙が溢れてきた。


「先生」


「ん?」


「もう一個だけ、ワガママ聞いてください」


「なに?」


先生の温かい指が、私の涙を拭った。