音を奏でて~放課後の音楽室~

「どうしても?」


「はい」


内田先生がため息をつく。


「分かった。無理強いはしない。点滴が終わったら送ってくよ」


「先生、学校は?」


「副担に任せてきたから大丈夫」


「そっか」


だんだん瞼が落ちてくる。


「おやすみ」


先生の優しい声を聞いて、私はまた眠りに落ちていった。


次に目を覚ましたのは、ちょうど点滴が終わったころだった。


「薬出てるから、貰って帰ろう」


「はい」


自分で会計を済ませ、病院を出た。


「あっ・・・」


外はまだ暑く、病院との温度差のせいかまた目眩を感じる。