音を奏でて~放課後の音楽室~

「うん。ごめんね、葵」


そう言って葵に笑顔を向けたところで、私は意識を失った。


「んっ・・・」


それからどれくらいたったんだろう?


ゆっくりと目を覚ますと、見たことない天井が目に入った。


「目、覚めた?」


「先生?」


今度は天井じゃなくて、心配そうな内田先生の顔が目に入ってくる。


「ここ病院。分かる?」


「私、気分悪くなって倒れて」


「そう。随分気分悪そうだったから、病院連れてきた。ストレス性の胃炎と栄養失調になりかけてる」


「そう、ですか」


よく見れば、左腕に点滴がしてある。


ストレス、か。


そんなに酷かったのかな?