音を奏でて~放課後の音楽室~

「どうして謝るの?」


「だって、みちる先生に迷惑かけてるから」


「迷惑だなんて思ったことないわ。心配だなとは思ったことあるけど」


みちる先生の温かい手が、私の髪をなでる。


「もう優音ちゃんとは長い付き合いだもんね。優音ちゃんのこと、妹とか娘みたいに思ってるのよ」


「娘でいいの?」


「そうね~妹の方がいいわ」


クスッと笑うと、みちる先生もクスッと笑う。


「みちる先生」


「ん?」


「少し眠ってもいい?」


「うん」


最近、いろいろ考えてちゃってよく眠れないの。


でも今なら眠れる気がする。


「おやすみ、優音ちゃん」